17日のニューヨーク株式相場は、金融システム不安がくすぶる中を金融株主導で反落した。ダウ工業株30種平均は前日終値比384.57ドル安の31861.98ドル。ナスダック総合指数は86.77ポイント安の11630.51。
午後、下げ渋るも、一時500ドル超下落する場面も見られた。
この背景には米銀行への最後の貸し手であるFRBが前日に連銀貸出の結果として、2つの貸出制度を通じて3月15日までの1週間で計1648億ドルを貸し出していたことを報道したことです。
これは、2008年の金融危機時(リーマンショック)に記録した1110億ドルを大幅に上回っています。SVB(シリコンバレーバンク)の破綻で米中小金融機関の資金調達状況が悪化したことを示すものでもある。
また、シグネチャー・バンク(史上3位の規模)がすでに破綻していることの手当ということでもある。
ヨーロッパ金融市場ではクレディ・スイス株価はスイス国立銀行が7兆円以上の支援をするということなので落ち着いた。(前日の下げを押し返した)
これらの主要因は戦争を背景とした物価高である。それを抑え込むための金利引き上げ。さらにコロナ2019で金融緩和でばらまいた、中央銀行の資産増加を資産圧縮に舵を切ったことも要因だ。
金利上昇は債券とくに長期での債権に大きく影響を及ぼす。今回の場合は大きく債券の価格がさがり、評価損がでているということだ。
短期債券なら値下がりもしれているが長期の国債、社債は結構厳しいだろう。
では、日本はどうか?という問題はあります。日本銀行が債務超過にと騒いでいる人がいるのはこの点なのです。
日本銀行は大量の日本の長期国債をここ数年で買い上げた。つまり保有しているのだ。
だから、長期金利が上がるとそれだけ評価額が下がるのだ。
今はECC(イールドカーブコントロール)で0.5%程度までの幅を許しているが、これが1%、2%なったときにどうなるのか?とうことだ。
植田和男日銀総裁は時間を稼ぎながら、できるだけリスクをコントロールした形で正常化することを懸命にしてくれると考えています。
直近の注目は来週のFOMCです。
たぶん、FFレート0.25%の上昇と考えられるが、これが見送りならかなり金融市場は参っていると考えるのがいいかもしれません。
そう思っている人がいるからこそ、今回は0.25%の上げかとも思っています。